「宇宙と意識を考える――私たちは、なぜここにいるのだろう?」
第3回 「意識」とは、いったい何なのか
――意識も宇宙の進化の中で生まれ、発達してきたのではないか
私たちは、自分の身体があることを当たり前のように感じています。
手を見れば、そこに手がある。
鏡を見れば、自分の顔が映る。
心臓が動き、呼吸をし、脳が働いている。
身体については、科学の進歩によって、かなり多くのことがわかるようになってきました。
では、「意識」はどうでしょう。
「私は今、嬉しい」
「これは好き」
「なぜかこちらが気になる」
「私はこうしたい」
私たちは毎日、自分の中にこうした「意識」があることを感じながら生きています。
けれど、
その「意識」そのものは、どこにあるのでしょうか。
脳の中でしょうか。
身体の中でしょうか。
脳の活動は、脳波などによって電気的な変化として測定することができます。
脳のどの部分が活動しているのかを調べることもできるようになりました。
けれど、
「嬉しい」という感覚そのものや、「私は私である」という感覚そのものを、
物体のように取り出して見ることはできません。
ここに「意識」の不思議があります。
見えないから、存在しない?
宇宙にも、似たような謎があります。
現在の宇宙論では、私たちが星や惑星などとして観測している通常の物質だけでは、銀河などの運動を十分に説明できないことから、「ダークマター」と呼ばれる未知の物質の存在が考えられています。
ダークマターそのものを光で直接見ることはできません。
けれど、その重力的な影響などから、「何かが存在している」と考えられているのです。
もちろん、
ダークマターと人間の意識が同じものだ、という科学的根拠があるわけではありません。
ここからは、ひとつの「思考実験」として考えてみたいと思います。
私たちの身体には「目に見える部分」があります。
けれど、人間という存在を考えるとき、身体だけですべてを説明できるのだろうか。
私たちには、
考える、感じる、想像する、選択するという「意識」があります。
宇宙にもまた、私たちが見ることのできる世界と、まだ十分には理解できていない世界があります。
そう考えてみると、とても興味深いと思いませんか。
身体だけが進化したのだろうか
宇宙は約138億年という長い時間をかけて変化してきました。
物質が生まれ、
星が生まれ、
惑星が生まれ、
地球では生命が誕生し、
単細胞生物から多細胞生物へ、
神経系が生まれ、
脳が発達し、
やがて人間は高度な思考をするようになりました。
ここで一つ、問いが生まれます。
進化してきたのは、本当に「身体」だけなのでしょうか。
身体や脳の進化とともに、
感じること、考えること、自分を認識すること、他者を思いやること、
そして「私はなぜ生きているのだろう」と考えること。
つまり、「意識」もまた変化し、発達してきたと考えることはできないでしょうか。
私たちは宇宙から生まれた存在です。
だとすれば、
私たちの身体だけでなく、「意識」もまた宇宙の長い歴史の中から生まれてきたものなのではないか。
そんな問いが生まれてきます。
そして、ここからさらに大きな疑問へとつながっていきます。
なぜ人間には、
「宇宙とは何なのか」
「私はなぜ存在しているのか」
という、自分の生命を維持するだけなら必要のない問いまで考える力が備わっているのでしょう。
もしかすると、この「知りたい」という意識そのものに、何か意味があるのかもしれません。
次回は、もう一歩踏み込んで、
「宇宙は、人間を通して自分自身を知ろうとしているのではないか?」
という少し大胆な問いを考えてみたいと思います。
