「宇宙と意識を考える――私たちは、なぜここにいるのだろう?」 | 一般社団法人 食と意識研究所 /  二村有里繪

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「宇宙と意識を考える――私たちは、なぜここにいるのだろう?」

番外編 人は、何によって自分の意思をつくり、何を基準に選び、自分の人生を生きているのか

――「食と意識研究所」が目指しているもの

「宇宙と人の意識の繋がり」を7回にわたって書いてきました。

宇宙の始まりから、生命の誕生、人間の身体、意識、脳のネットワーク、インターネットやAI、

そして最後は、

「今日、私は何を選ぶのか」

という、とても身近なところまで戻ってきました。

ここまで読んでくださった方の中には、

「それで、食と意識研究所って、いったい何を研究するところなの?」

と思われた方もいるかもしれません。

実は、私が一番研究したいのは、

食べ物そのものではありません。

「人間」です。

もう少し正確に言うなら、

人は何を感じ、何を基準に選び、どうやって『自分の人生』をつくっていくのか。

それを研究していきたいと思っています。

なぜ「食」なのか

私たちは毎日、何かを食べています。

一日に何度も、

「何を食べよう」

という選択をしています。

とても小さな選択です。

ところが、この小さな選択をよく観察してみると、その人の考え方や価値観が驚くほど表れます。

「本当はこっちが食べたいけれど、高いからやめておこう」

「みんながこれを頼むなら、私も同じでいい」

「残したら悪いから食べよう」

「身体にいいと言われたから、好きではないけれど食べている」

「太るから我慢しよう」

「私だけ好きなものを頼むのは申し訳ない」

そこには、

お金に対する意識。

人からどう見られるかという意識。

健康への価値観。

罪悪感。

遠慮。

我慢。

自己価値。

家族から受け継いだ考え方。

さまざまなものが隠れています。

だから私は、

食べ方には、その人の「意識の癖」が表れる

と考えています。

「何を食べたか」より、「なぜそれを選んだのか」

食について研究するというと、

何を食べれば健康になるのか。

どんな栄養素が必要なのか。

何を避けるべきなのか。

そんな研究を想像されるかもしれません。

もちろん、それらはとても大切な研究です。

でも、食と意識研究所で見ていきたいのは、少し違うところです。

たとえば、

「今日のお昼に、なぜそれを選んだのですか?」

という問いです。

「食べたかったから」

なら、とてもシンプルです。

でも、

「安かったから」

「人に合わせたから」

「いつもこれだから」

「失敗したくなかったから」

「身体にいいと聞いたから」

という答えもあります。

どれが正しい、間違っている、という話ではありません。

大切なのは、

自分が何を基準に選んでいるのかを、自分で知っているか。

ということです。

食卓は、小さな「人生の実験室」

私は食卓を、

人間の意識を観察できる、小さな実験室

のように考えています。

たとえば、

「今日は値段を見る前に、食べたいものを決めてみる」

「最初に目に入ったものを覚えておく」

「誰かに合わせる前に、自分は何が食べたいか考えてみる」

「一口食べたとき、身体がどう感じるか観察する」

そんな小さな実験をしてみる。

すると、

「私、いつも値段から見ていた」

「本当は食べたいものがあったのに、人に合わせていた」

「お腹いっぱいなのに、残すのが悪いと思って食べていた」

と、それまで気づかなかった自分が見えてきます。

これがおもしろいのです。

食事で見つかった癖は、人生にもあるのか?

そして、ここからが私が最も研究していきたいところです。

食事の場面で、

「人に合わせる」

という傾向が強い人は、

仕事でも、人間関係でも、自分の希望を引っ込めやすいのでしょうか。

食事で、

「一番安いものを選ぶ」

ことが習慣になっている人は、

自分のサービスの価格や、自分が何かを受け取る場面でも、同じような意識が働くのでしょうか。

「残してはいけない」

という強い罪悪感を持つ人は、

仕事や人間関係でも、

「途中でやめてはいけない」

「せっかくここまでやったのだから」

と、自分に合わなくなったものを抱え続けるのでしょうか。

反対に、

食事という安全な日常の中で、

「私はこれが食べたい」

と選ぶ練習を続けたら、

人生のもっと大きな場面でも、

「私はこうしたい」

と言えるようになるのでしょうか。

食の選択を変えることで、人生の自己決定にも変化が起きるのか。

これは、私がとても興味を持っているテーマです。

「正しい食」を研究するのではありません

だから、食と意識研究所では、

「これを食べれば正解」

「これは食べてはいけない」

という一つの答えを出すことを目的にはしていません。

むしろ研究したいのは、

「私はどう感じているのか」
「私はなぜそれを選んでいるのか」
「その選択は、本当に私の意思なのか」

ということです。

健康情報も大切。

栄養の知識も大切。

家族への配慮も大切。

経済的な条件も当然あります。

それらをすべて理解した上で、

最後に、

「では、私はどうする?」

と自分で決める。

その力を私は「自己決定力」と考えています。

意識は、どこまで人生を変えるのか

さらに研究したいことがあります。

意識が変わると、行動はどこまで変わるのか。

行動が変わると、人間関係はどう変化するのか。

身体感覚と選択には、どんな関係があるのか。

幼少期の家庭での食経験は、大人になってからの選択にどんな影響を与えるのか。

「我慢」「遠慮」「罪悪感」「欠乏感」は、食べ方にどう現れるのか。

逆に、

喜び、安心、満足、好奇心、自分を大切にする感覚は、食べ方にどう現れるのか。

そして、

一人の意識が変わることで、家族や周囲の人の意識にも変化が起きるのか。

研究したいことは、たくさんあります。

研究者は、私たち全員

そして、この研究所にはもう一つ大切にしたいことがあります。

誰か偉い人が答えを教えて、

「これが正しいです」

と伝えるだけの場所にはしたくありません。

なぜなら、

人間の意識を研究するなら、一人ひとりの実際の経験こそが大切なデータだからです。

だから、

「みんなで試して、考えて、発見する」。

たとえば、

「今週は、メニューを開いた瞬間に何を感じたか観察してみよう」

「一週間、値段を見る前に食べたいものを決めてみよう」

「誰かと食べるとき、自分がどれくらい相手に合わせているか観察してみよう」

そんな小さな実験を、たくさんの人でやってみる。

そして、

「私はこうだった」

「こんなことに気づいた」

「食事ではこうだけど、仕事では違った」

と結果を持ち寄る。

そこから、新しい仮説が生まれる。

また試してみる。

私は、そんな場所をつくりたいと思っています。

食から、人間を知る。人間から、意識を知る。

宇宙の話から始まった今回の連載。

最終的にたどり着いたのは、

私たちが毎日繰り返している「食べる」という行為でした。

宇宙とは何か。

生命とは何か。

意識とは何か。

なぜ私たちは生まれてきたのか。

そんな大きな問いに、すぐ答えが出ることはありません。

でも、

「私は今、何を感じている?」

「なぜ、これを選んだ?」

なら、今日から観察できます。

だから食と意識研究所では、

食から、人間を知る。
人間から、意識を知る。
そして意識から、「自分の人生を生きる」とはどういうことなのかを探究する。

そんな研究をしていきたいと思っています。

そして、その研究に必要なのは、

特別な研究者だけではありません。

毎日食べて、

感じて、

迷って、

選んで、

生きている、

私たち一人ひとりです。

食卓は、毎日開かれる研究室。

人生そのものが、研究材料です。

さて。

今日のあなたの一食には、

どんな「意識」が表れていたでしょうか。

そこから、一緒に研究を始めてみませんか。

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